今月の一品

2017年10月

月下の兎

月下の兎
(げっかのうさぎ)

歌川広重
天保3~6年(1832~35)頃
中短冊判錦絵
海の見える杜美術館

※2017年10月22日(日)まで特別展示「プリティー♡プリント」江戸の花鳥版画展で展示中

作品解説

赤い眼をした白うさぎが満月を見上げています。中国の伝説では、うさぎは月の住人で、不老不死の仙薬を作るとされ、日本に伝わると餅をつくと考えられるようになります。謡曲「木賊」(とくさ)や和歌「木賊刈る 園原山の木の間より 磨かれ出づる秋の夜の月」などから、秋の月を木賊と結びつけるイメージが形作られ、江戸時代には、月に木賊、うさぎを組み合わせた絵が数多く描かれるようになりました。

ポイント

先月ご紹介した「月に松上の木菟」と今月の「月下の兎」は、実は同じ版木の左右に彫られており、印刷後に切り離されました。2点がくっついた状態の作品も残っています。