今月の一品

2018年3月

青磁象嵌牡丹文碗

青磁象嵌牡丹文碗
(せいじぞうがんぼたんもんわん)

高麗時代
12世紀
口径14.0㎝

※2018年5月27日(日)まで普通展示「碗の世界」で展示中

作品解説

海を挟んだ隣国、朝鮮のやきものです。高麗時代(918-1392年)を代表するもので、中国・越州窯青磁の影響を受けて、9~10世紀頃に作られ始めました。唐時代の人物である陸羽(733?-804?年)が茶について書いた『茶経』では、越州窯で作られた碗が上等であるという記述があり、その人気から朝鮮へも伝わりました。当初はそれに似た、主に無文や陰刻をもつやきものが作られましたが、11世紀末~12世紀前半になると、象嵌技法、陰刻や陽刻などの技法が際立った高麗独自の意匠をもつ青磁が作られるようになりました。

ポイント

独自性の代表格、象嵌技法で文様表現された碗です。見込中央に菊花、周りに4本の牡丹、口縁には細めの雷文帯が一周します。象嵌は、素地を彫り、またはスタンプのようなもので凹みを作り、そこへ白土や黒土を埋めて文様を表現する方法です。このように、やや複雑な方法をとっていますが、筆描きのような筆致は、当時の技術力の高さを伝えています。