今月の一品

2018年8月

ポプリ壺「エベール」

ポプリ壺「エベール」
(ぽぷりこ えべーる)

1757年
Photo ⓒ RMN-Grand Palais (Sèvres, Cité de la céramique) /
Martine Beck-Coppola / distributed by AMF
※2018年7月24日(火)から9月24日(月・振休)まで
特別展示「フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」で展示中

作品解説

花の香料ポプリを収め、その芳香を楽しむために貴族の寝室や浴室で使われたポプリ壺です。深い緑の地色と繊細な金彩表現、エキゾチックで写実的な花鳥の窓絵は、宮廷金銀細工師ディプレシのデザインによる器形とともに見る者に強い印象を与えます。香りを出すための孔をあけた透かし彫りの蓋が本来備わっていました。ルイ15世の愛妾で強い香りを好んだポンパドゥール夫人も愛好した、こうしたロココ様式の装飾を極めた華麗なポプリ壺がセーヴルでは多く作られました。

ポイント

このポプリ壺は、マイセンのような硬質磁器ではなく、釘のような鋭いもので擦るとすぐに傷ついてしまう軟質磁器で作られています。それは最初にセーヴルに成功をもたらした美しい地色(ブルー・セルストやポンパドゥール・ピンク、アップル・グリーンなど)が軟質磁器でしか出せなかったからで、18世紀のセーヴル磁器の大きな特徴となっています。