今月の一品

2018年10月

切嵌象嵌接合せ箱「夕茜」

切嵌象嵌接合せ箱「夕茜」
(きりばめぞうがんはぎあわせゆうあかね)

切嵌象嵌接合せ箱「夕茜」
平成22年(2010)
山口県立萩美術館・浦上記念館蔵

※2018年10月2日(火)~11月25日(日)まで
特別展示「彫金のわざと美 山本晃の詩想と造形」にて展示中

作品解説

丸々とした赤い柿はこの季節ならではですね。重なり合うように生い茂る葉も表現され、豊かな秋を表わすようです。柿や葉の彩りなどは別々に作られ、「接合せ【はぎあわせ】」「切嵌象嵌【きりばめぞうがん】」というわざでひとつにしています。このふたつのわざは、山本さんの特徴です。「接合せ」は別作りのパーツを接合し、「切嵌象嵌」はパーツを同形に切り抜いたベースに嵌め込むわざです。主題を引き立てる、まばゆいばかりの背景には金鍍金が施され、夕陽の、その日最後の輝きを表現しているようです。

ポイント

葉からのぞく柿の様子や葉の彩りは、山本さんふたつの技がなせること。柿は「切嵌象嵌」で、葉に表現された線状の銀や赤の彩りは「接合せ」で表現されています。別色の金属、また銀色の線をたくみに使った表現からは、作家の創意工夫や表現へのたゆまぬ姿勢がうかがえます。