今月の一品

2019年4月

黒彩器−相−

黒彩器−相−
(こくさいき そう)


渋谷英一
現在形の陶芸 萩大賞Ⅳ大賞受賞作 2016
4月2日(火)~6月30日(日)まで
「渋谷英一展 現在形の陶芸 萩大賞Ⅳ 大賞受賞記念」で展示。

作品解説

この伸びやかなかたちは、従来の萩焼づくりでは主流とされてこなかった、粘土紐輪積み法で立ち上げられています。萩焼伝統の「さくい(裂けやすい)」素地土の乾燥具合を測りながら、じつに丁寧に曲面を削り出して磨き上げ、緊張感のある鋭い口づくりとたおやかなアウトラインを探って一つのかたちへと結ばれた器です。素焼の後に黒と白の化粧土をエアブラシの掛分で施してコントラストを強調した装飾性をまとわせ、弾けるような動勢の力強さを表現しています。

ポイント

器としての機能を十全に満たすことで事足りるものではないし、また機能をまったく持たないオブジェを目指すものでもない。本作の魅力は、機能を有することと機能を失したことのあわいに浮かび上がってくる「かたち」の両義性にあるのではないでしょうか。