今月の一品

2017年11月

切嵌象嵌接合せ箱「白椿」

切嵌象嵌接合せ箱「白椿」
(きりばめぞうがんはぎあわせばこしろつばき)

山本晃
平成21年(2009)
切嵌象嵌接合せ箱「白椿」
平成21年(2009)幅25.3㎝

※2017年12月24日(日)まで普通展示「山口県の伝統工芸―萩焼・赤間硯・金工・漆芸―」で展示中

作品解説

豊かに表現された葉の茂みから覗く、小さく、やわらかな白い椿は、金属を素材とする作品であることを忘れさせるほど生気にあふれています。素材には、純金・純銀・純銅などの単一金属、赤銅や四分一などの合金を使用し、それぞれに色彩があります。形やデザインを上手に仕上げていくことに加え、完成時の色彩を想定しながらの工程は、作家と素材の「対話」の時間とも言えるでしょう。本作品を制作した山本晃さんは、生活の中で目にする自然の植物や動物などを作品に表現しています。一枚の金属からいくつもの、さまざまな形を切り出し、「接合せ」や「切嵌象嵌」という技でひとつにしていくことで表現される絵画的な表現は、一見、無機質な金属に深みをもたらしています。

ポイント

ひとつの作品のなかに、色彩の繊細な変化が見られます。これは、14種類もの四分一(グレー色)を独自に作り、白から黒までのグラデーション表現を可能にした山本さんの技術的特徴です。細やかな色彩の移り変わりが、表現に深みをもたらしています。