今月の一品

2019年1月

緑釉猪圏

緑釉猪圏
(りょくゆうちょけん)

緑釉猪圏
幅17.0cm
後漢時代(1~3世紀)

作品解説

鉛釉に酸化銅を呈色剤として加え、800度前後の比較的低温で焼成した緑釉の猪圏。猪圏とは、家畜として豚を飼育される囲いを指します。方形の囲いの中には二匹の豚(猪)がおり、一匹は横たわって寝そべり、一匹は中央に立っています。中国では豚の餌として人の糞尿を利用しており、片隅にある小屋は厠として作られていると考えられます。 緑釉陶器が中国で作られ始めたのは前漢の前一世紀ですが、後漢代になると墓に副葬用として納められる明器として多く作られました。中国では古くから、死者が死後も生前と同じ生活を営み続けるとの思想があり、本作品もそれを指向して作られたと考えられます。

ポイント

十二支の亥に充てられた猪は、人にとっては雑食で田畑を荒らす害獣でもありますが、繁殖力が高いことから中国では紀元前から家畜として重宝されました。「猪突猛進」の四字熟語にもあるように、まっすぐに突き進むイメージが強いですが、本作品の猪は寝転がって休んでいて、のんびりとしたイメージを与えます。

ポイント