今月の一品

2017年9月

月に松上の木兎

月に松上の木兎
(つきにしょうじょうのみみずく)

天保3〜6年(1832〜35)頃
中短冊判錦絵
海の見える杜美術館所蔵
賛 三日月の船遊山してみみづくの 耳にいれたき 松風の琴 八陣亭

※2017年10月22日(日)まで特別展示「プリティー♡プリント」江戸の花鳥版画展で展示中

作品解説

三日月の夜、松の枝にとまって一羽のみみずくが眠っています。まるで童話絵本の挿絵のような一図は、歌川広重(1797~1858)の作品です。広重は風景画家として知られていますが、花鳥版画の大成者としても高く評価されています。広重の花鳥版画の作品には、俳諧や狂歌などの賛があるものが多くあります。これらの詩句と共に絵を鑑賞することで、一層の詩情を感じさせるものです。本図の賛は、広重と交友があったと言われる狂歌師、八陣亭堅城(やじんていかたしろ)の狂歌「三日月の 船遊山して みみづくの 耳にいれたき 松風の琴」。

ポイント

閉じた眼をよく見ると、漫画のような表現です。実際のみみずくは、夜行性の猛禽類ですから、夜は狩りの時間です。広重の絵も狂歌もロマンチックでかわいい♡ですね。