今月の一品

2019年3月

金子司 種々(くさぐさ)

金子司 種々(くさぐさ)
(かねこ つかさ  くさぐさ)

種々(くさぐさ)
Kaneko Tsukasa
Kusa-gusa(Diversity), Hagiware. 2007.
シンフォニア岩国(岩国市三笠町)で開催されるくさびら・くさぐさ 金子司 陶展
2月14日(木)から2月27日(水)まで展示。

作品解説

萩焼の土と釉でつくられたかたちの一つ一つは、花弁や花穂をおもわせる片々や膨らみを先端にもたげています。いずれも葉のない茎状に象られ、まるで花時のヒガンバナか、スギナの胞子茎であるツクシから袴を取り去ったような姿のものばかり。そして、皆どことなくうつろな気色をただよわせています。その群叢としての光景は、野辺で繰り広げられる植生の栄枯盛衰そのものですが、特定の場所に建立される一座なるものの性格と、そこに寄り合った個人の境涯との逢着を、堆積した時間の重みとともに想い起こさせるインスタレーションです。

ポイント

作家は、茶会という特定の行為から生じる雰囲気=大気に着想を得て、茶室という空間のもつ雰囲気=気分を造形的にアプローチしようと、常態なき人の一生の多様さを植物の生長に仮託する手法で見つめ直そうとしました。