今月の一品

2019年12月

黒蜥蜴壺

黒蜥蜴壺
(くろとかげこ)

黒蜥蜴壺
止原理美
2019年11月23日(土・祝)から2020年1月13日(月・祝)まで
現在形の陶芸 萩大賞展Ⅴにて展示

作品解説

愛らしい目をした小さなトカゲたちが器面に刻まれた壺形の花入です。萩伝統の土を用いながら、伝統的な萩焼の造形にはなかった黒陶技法で作られています。その軟らかな質感の土肌に配置された動きのある模様の構成が、観る者を物語的想像の世界へと誘っています。茶室の陰翳を映したような黒陶彩の土肌の質感と軽快感のある装飾性が、茶の湯空間を現代的に解釈した陶表現として高く評価され、第5回の「萩大賞」を授賞されました。

ポイント

壺形の口縁部には可憐な蝶と見つめ合う黒トカゲが貼り付けられるなど、茶席の床飾りとしてはひときわ異彩を放つ存在ですが、茶の湯の空間が現在も多様で豊かな芸術表現の舞台であり続けていることを明快に証明する作品でしょう。

ポイント