今月の一品

2020年9月

崩壊と生成

崩壊と生成
(ほうかいとせいせい)

崩壊と生成
2020年
個人蔵
高:101.5cm 幅:169.0cm 奥行:73.3cm
2020年9月12日(土)から2020年12月20日(日)まで
三輪龍氣生展−行け、熱き陶の想いよ。にて展示

作品解説

新作<鳥人>シリーズ中最大の作品です。キャラクター(人格)化された鷲が、被災して摩天楼すら激しく崩れた大都市を高空から悠然と見おろしています。廃墟と化した地上では、落雷をものともせず、金色に輝く瓦礫から力強く立ち上がり、祈るようにあるいは祝福するように両手を挙げるふくよかな女性(ヴィーナス)がいます。この光景には、エロス(生)とタナトス(死)という対立的でありながら表裏一体の欲動が象徴されています。

ポイント

鳥の眼を借りた人の視線として、1855年2月の安政大地震と大津波によって壊滅した江戸の下町を大きな鷲が上空から眺める構図が、歌川広重《名所江戸百景 深川洲崎十万坪》(1857年)の浮世絵版画で知られています。生命が被った受難に向けられた、鷲の淡々とした「眼差し」がともに印象的です。

ポイント