今月の一品

2023年9月

青花蝦蟇仙人図稜花鉢

青花蝦蟇仙人図稜花鉢
(せいかがませんにんずりょうかばち)

青花蝦蟇仙人図稜花鉢
中国・景徳鎮窯
明時代 17世紀
当館蔵(浦上敏朗氏寄贈)
2023年7月25日(火)から2023年11月12日(日)まで
日本人が愛した古染付にて展示

作品解説

「古染付」と呼ばれる明時代末期の景徳鎮窯で作られた青花(染付)磁器です。口縁部が外に開く銅鑼鉢で、内側には蝦蟇仙人らしき人物が紐に繋がった銭を持って3本足の蝦蟇と戯れる様子が描かれています。蝦蟇仙人とは、中国の道士、劉海蟾とみられ、劉海蟾の「蟾」が蟾蜍(ヒキガエル)の意であることから蝦蟇と結びつき蝦蟇仙人とも呼ばれるようになったといわれています。明清時代には金の蟾蜍と戯れ、銭を撒き散らす吉祥神として人気が高まり、庶民好みの画題として取り上げられたと考えられます。

ポイント

「古染付」はその多くが日本に伝世しており、わが国でとくに好まれた中国のやきものです。日本から注文されたといわれる茶道具のほかに碗・皿類もあり、その内側には本作のような一幅の絵画を描いたような作品が多く知られています。